歳時記・春
歳時記・春

信州の春。残雪、春スキー、新緑、山菜


卯月・4月

残雪とふきのとう

4月
冬のスキーシーズンを終え、村はいつもの暮らしぶりに戻ります。山の上はまだまだ真っ白ですが、奥信濃は雪解けのはじまりです。千曲川の水量も増えてきます。ホオジロのさえずりと共に里には春がやってきます。中旬ごろからカタクリの花やこぶしが咲きます。雪国では、梅も桜もりんごもいっせいに花を開きます。例年4月の終わり頃、菜の花公園では一面に花が咲き黄色い絨毯の様です。胸が広がるような季節の空気を吸いにおいでになりませんか。

4月の春スキーはスキーやスノーボードの「通」が好む時期です。ゴンドラで上がって、標高1000~1600メートルのやまびこゲレンデまで行くと、たっぷり滑れます。ゲレンデが空くので、貸切状態のこともあります。


皐月・5月

北竜湖と菜の花

5月
新緑と山菜料理が素晴らしいシーズンです。
春の北竜湖は最高です。静かな青い水を豊かにたたえたたたずまいに、心が休まります。菜の花畑とのコントラストの美しさは、写真家の前田眞三先生がお好きな風景でした。
ブナの原生林が芽吹き、日々緑を濃くしてゆきます。コガラが可愛らしい声を響かせます。山野草の好きな方には、ミズバショウ、サンカヨウ、ツバメオモト、エンレイソウ、イチリンソウ、その他野草の絶好の観察シーズンです。斑尾高原の湿原へ足を伸ばすのもいいでしょう。ゴールデンウィークを過ぎた頃からは、わらび、ふき、山うど、あけびの芽などの山菜も楽しめます。

露地物のグリーンアスパラの旬は5月初旬から。甘味があり、やわらかく、絶品です。採れたてを温泉でゆがいて召し上がれ。

スキー場は連休まで滑れます。トレッキングのお好きな方は、ぶな林の残雪を歩きながら芽吹きの緑をお楽しみください。


水無月・6月

焼き根曲り竹

6月
ゆったりとした季節です。落ち着いた湯治、花巡りの旅に向いています。

6月といえば、たけのこ狩り、山菜取りの最盛期。温泉と山菜料理の組み合わせが最高の時期です。運がよければ、野沢の味覚の王様、根曲がり竹の子もお楽しみいただけます。ほとんどの山菜が出揃うので、お料理がバラエティに富んでいます。

春の名残から夏の気配へ、ぐんぐんと変化する山の緑が目にしみます。夏鳥たちのさえずりの中、新緑の山を歩くたのしみは格別です。特別植物のお好きな方でなくても、ヤマボウシ、ムシカリ、ヤマフジ、キリ、ヤマアジサイ、ツツジなど、山の木々の花盛りには目を奪われます。つつじ山、上の平高原、カヤノ平高原、斑尾高原の山野草の群落も見逃せません。

雨の日のしっとりした表情の山も良いものですが、遠出をしないなら、村の中を散歩しながら共同浴場めぐりをお勧めします。住吉屋を拠点に、奥信濃・越後妻有の美術館めぐりもいいでしょう。
当館から車で40分・中野バラ祭りも開催され、見応え充分です。